クソ映画祭

来たる日に開催されるクソ映画祭の映画選定用の作品紹介

ムカデ人間


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カルト人気を博し、現在改装中の新宿武蔵野館にてレイトショーでも好評だった本シリーズ。
この後に同じテイストの「ザ・タスク」も制作されました。人体改造のトンデモ作品では筆頭といえるでしょう。

ある博士の豪邸に車のアクシデントで助けを求める2人の女性が訪れます。話の節々に異様さを匂わす博士。このハイター博士は循環システムとして人間の口と肛門を縫い合わせる「ムカデ人間」を考案し、その実験体を待っていました。先に捕獲した日本人男性を加え、三位一体のムカデ人間を作り、調教し自分の傑作として世に知らしめようとするのですが…。

上記の簡単なあらすじ自体はホラー映画の亜流といった形なのですが、この「ムカデ人間」シリーズの最大の魅力は、どう考えても頭のおかしいムカデ人間製作者サイドの狂気の演技力です。
1は紳士然としながら徐々におかしい様を見せ時々チャーミングにムカデと戯れる、キャラクターとしての像がしっかりと表現されています。同様にムカデ人間の頭を演じる北村昭博も、関西弁で煩く喋り倒すヤクザキャラが対比としてとてもB級的でいいです。
2はもう狂気そのもの。白黒の映像にしたのは正解で、カラーだと陳腐にも汚らしくも見えてしまうところを大きくカバーしています。2は1がDVDで再生され虚構だと分かっているけれどハイター博士を慕う敬虔な信者であるローレンス・R・ハーヴィー演じるマーティンが、いつかムカデ人間を作りたいと思っており、マーティンに嫌悪感を抱いている(と思われる)人間を襲い気絶させ集め、12位一体のムカデ人間を作るというお話です。このローレンスが実に奇怪で最高です。被り物なしのモンスターと言ってもいいでしょうし、台詞がないにも関わらずこの気持ち悪さは凄い。正直1を期待して2を見ると全く笑えないと思います。
3は狙い過ぎて面白味が消えています。1・2の要素を無視し、コメディテイストで博士とマーティンがとある刑務所の所長と助手という立ち位置で登場し、ハイター博士はブチ切れキャラに、マーティンは弱腰ながら刑務所の懐事情の悪化の改善案として囚人を全て繋ぐムカデ人間を提案するというお話なのですが、あまりにもハイター博士のブチ切れ感が終始画面を支配してしまい、微妙な間のテンポの悪さや悪辣さの提示などでムカデ人間側のインパクトが薄くなってしまっていました。同じテイストではやらないとは思っていましたが、気に入る作品ではなく少々残念でした。とはいえ、ムカデ人間1・2を囚人に見せ、人間のやる事じゃないと言わせる自虐などは嫌いではないです。

というわけでざっくりと紹介しましたが、こちらのムカデ人間はクソ映画ではなく糞映画というほうがいいでしょう。シリーズ通してスカトロ表現が必ず登場します。とはいえトロマの「チキン・オブ・ザ・デッド」のように音に不快感は少ないので身構える必要はそこまでありません。
笑いの要素をとるならば1以外の選択肢はないでしょう。3のナンセンスさは正直あまりに色が強すぎて笑いにくいでしょうし…。
ムカデ人間」シリーズは1時代のトンデモ作品として後世に残る気もしていますので、気になったら全部見るのもいいかと思われますが、R18ですので特に2はまともな人とは見ない方が正解でしょう。

いやぁ、クソ映画って素晴らしいですね。